ツークツワング(Zugzwang)とは、ドイツ語で「動かされることを強いられる」という意味の言葉で、手番であること自体が不利になってしまう局面を指します。チェスでは「パス」(自分の手番を飛ばすこと)ができないため、たとえどの駒を動かしても状況が悪化するとしても、必ず何か一手を指さなければなりません。
上のアニメーションは、キングとポーンだけのシンプルな終盤です。黒キングはe8にいますが、動けるマスはd8かf8しかありません(e7は白キングに近すぎて移動できません)。黒がd8へ動くと、白キングは反対側のf7へ回り込みます。こうして白キングはポーンの通り道をしっかり確保でき、ポーンの前進を黒はもう止められなくなります。
ツークツワングは、駒が少なくなった終盤で特に起こりやすい現象です。序盤や中盤は駒が多く、動かせる選択肢も豊富なため、手番であること自体が問題になることはほとんどありません。しかし終盤でキングとポーンだけのような局面になると、1つの駒の動き方が局面全体に直結し、手番の重みが一気に増します。
ツークツワングを実戦で活かすには、「相手の手番を残したまま、自分の駒をできるだけ動かさずに済ませる」ことがポイントです。手待ちの手(ワードムーブ)を使いこなせるようになると、終盤の勝率が大きく上がります。KitsuneChessの終盤解説記事や、パズルストリークでもツークツワングの局面を扱っているので、ぜひチェックしてみてください。