ピン(Pin)とは、自分の駒が相手の駒を狙う直線(縦・横・斜め)の延長線上に、相手のより価値の高い駒(多くの場合は王)が並んでいる状況を利用する戦術です。狙われている駒は、下がったり避けたりして動くと、後ろにいるもっと大切な駒が直接攻撃を受けてしまうため、その場から動けなくなってしまいます。この「動けない」状態を利用して、他の駒で追加の攻撃を仕掛けるのがピンの基本的な使い方です。
特に強力なのが、王が絡む「絶対ピン」です。チェスのルール上、王手を放置したまま他の手を指すことは反則なので、ピンされた駒は完全に身動きが取れなくなります。上のアニメーションでは、白のビショップがf1からb5へ移動することで、e8にいる黒の王とd7の黒のナイトが同じ斜めのライン上に並び、ナイトが完全に釘付けにされる様子を示しています。
ピンをかけられた駒は、実質的に「いないもの」として扱えることが多く、その駒が本来守っていたマスや駒を、他の駒で自由に攻撃できるようになります。たとえばピンされたナイトの周りにあるポーンを、他の駒でまとめて攻撃すれば、ナイトは反撃に参加できないまま、一方的に駒を失っていくことになります。
ピンには、王が絡まない「相対ピン」もあります。この場合、ピンされた駒を動かすこと自体は反則ではありませんが、動かすと後ろの価値の高い駒(クイーンなど)が取られてしまうため、実質的には動かせません。
自分の駒を並べるときは、味方の王や重要な駒が、相手のビショップ・ルーク・クイーンの通り道に一直線に並んでいないかを常に意識しましょう。逆に、相手の駒が縦・横・斜めに並んでいる場面を見つけたら、ピンを狙える絶好のチャンスです。ピンは単体でも駒得につながりますが、他の戦術(両取りや駒の集中攻撃)と組み合わせることで、さらに大きな効果を発揮します。ピンを実戦で見抜けるようになると、相手の駒配置の弱点が一気に見えるようになります。KitsuneChessのパズルストリークにもピンを使った問題が数多く出題されるので、繰り返し練習して感覚を養ってみてください。