過負荷(Overloading)とは、相手の1つの駒が、2つ以上の重要な役割(複数のマスや複数の駒の防衛)を同時に担っている状態を指します。その駒は「一度に1つのことしかできない」ため、片方の役割を果たすために動けば、もう片方が手薄になってしまいます。この弱点を突くのが過負荷を利用した戦術です。
上のアニメーションでは、黒のルークがd8にいて、8段目のバックランク(王の逃げ場を守る役目)と、d5にいる黒ナイトの2つを同時に守っています。白のビショップがb3からd5へ移動してナイトを取ると、黒ルークは「ナイトを取り返す」か「バックランクを守り続ける」かの二択を迫られます。ルークがナイトを取り返すためにd5へ動くと、バックランクの守りが消え、白のルークがe1からe8へ移動してチェックメイトになります。
過負荷を見つけるには、相手の駒を1つずつ見て、「この駒は何を守っているか」をすべて書き出してみるのが有効です。もし1つの駒が2つ以上の役割を持っていたら、それは過負荷の候補です。
過負荷の駒を見つけたら、その駒が守っている2つの対象のうち、どちらか一方を攻撃してみましょう。相手がその攻撃に応じれば、もう一方が手薄になります。デフレクションやピンと組み合わせて使われることも多く、実戦で非常に有効な戦術です。KitsuneChessのパズルストリークにも過負荷をテーマにした問題が出題されているので、練習してみてください。