はしご(ラダーメイト)とは、2つのルーク(またはルークとクイーン)を交互に使い、相手の王を1段ずつ盤の端まで追い詰めてチェックメイトする基本手筋です。片方の駒が「王手」をかけている間、もう片方の駒が王の退路をふさぐ「壁」の役目を果たし、それを交互に繰り返すことで、まるで階段(はしご)を上るように王を追い込んでいきます。ルーク2枚 対 王のみ、という終盤の基礎として、初心者が最初に覚えるべきメイト手筋のひとつです。
仕組みはとてもシンプルです。一方のルークが王と同じ段(ランク)に並んで王手をかけると、王は隣の段へ逃げるしかありません。そのとき、もう一方のルークがすでに1つ手前の段を丸ごと押さえているので、王は後戻りできず、前へ進むことしかできないのです。王が動いたら、王手をかけていたルークではなく、後ろで壁になっていたルークが今度は新しい段まで進んで次の王手を用意します。この「王手→壁の交代」を繰り返すだけで、王は着実に盤の端(1段目や8段目)へ追い詰められていきます。
上のアニメーションでは、白のルーク2枚だけで黒玉を8段目まで追い詰め、最後はバックランク(最終列)でチェックメイトする一連の流れを示しています。Rh6+で玉は7段目へ、Ra7+で玉は8段目へ、そして最後にRh8#で万事休す。玉が動くたびに、王手をかけていない方のルークがすでに退路を封じているので、玉には前に進む以外の選択肢がありません。
コツは「2枚の駒を絶対に同じ段・同じ筋に並べない」ことです。両方のルークが同じ段に並んでしまうと、次に王手をかけたときにもう1枚が「壁」の役目を果たせず、王に逃げ道を与えてしまいます。常に1枚が王手、もう1枚が1つ後ろの段で待機、という役割分担を意識しましょう。また、王を盤の中心に近い場所からいきなり追い詰めようとせず、まずは片方のルークで退路を1本切ってから王手をかける、という順番を守ると迷わずに進められます。
はしごメイトはルーク2枚だけでなく、ルークとクイーンの組み合わせでも同じ要領で使えます。駒の损得が大きくついた終盤で、相手の王がまだ盤の中央付近にいるときに特に有効な手筋です。KitsuneChessのパズルストリークにも、はしごメイトの考え方を使う終盤問題が含まれているので、実戦感覚を養うのにぜひ活用してみてください。難しく感じるかもしれませんが、「王手」と「壁」を交代するだけ、と分かってしまえばとてもシンプルな手筋です。ルークが2枚以上残る終盤に入ったら、まずはしごメイトが使えないか考えてみましょう。